「子どもの虫歯が見つかったけれど、あのキーンという音や痛みを思うと、歯医者さんに連れて行くのが憂鬱」
「できるだけ歯を削らずに、将来も健康な歯でいてほしい」
子どもが歯科医院への受診を嫌がる主な理由として、治療の際のドリルの音や、歯を削る際の不快感などが挙げられます。
保護者の方にとっても、無理強いはできず、どのように対応すべきか悩ましい問題です。
この記事では、小児歯科で行われる「削らない・削る量が少ない」治療法について解説します。
記事を読めば、削らない治療法や虫歯の予防法がわかり、大切なお子さんの歯を守るためのヒントを見つけることが可能です。
なぜ「削らない虫歯治療」が選ばれるの?
近年、「削らない虫歯治療」への関心が高まっている背景には、保護者の方のさまざまな想いがあります。
子どもの恐怖心を和らげたい
多くのお子さんにとって、歯医者さんは「怖い場所」というイメージがあります。
ドリルの音や振動、治療中の痛みや不快感が、強い恐怖心やトラウマにつながる場合も少なくありません。
「できることなら、怖い思いをさせずに治療してあげたい」といった親心から、痛みが少なく、ドリルの使用を最小限に抑える「削らない治療」が求められています。
大切な歯をできるだけ残したい!歯の保存への意識
歯は、1度削ってしまうと2度と元には戻りません。
たとえ乳歯であっても「できるだけ削らずに、自分の歯を長く健康に保ってほしい」と願うのは自然なことです。
MI治療(Minimal Intervention:最小限の侵襲)の考え方や、歯質を強化するフッ素塗布、虫歯になる前に溝を塞ぐシーラントといった予防処置への関心も高まっています。
乳歯の虫歯も油断できない!永久歯への影響を心配
「乳歯はどうせ生え変わるから、少しの虫歯なら大丈夫」と思っていませんか?
実は、乳歯の虫歯を放置すると、後から生えてくる永久歯の質が悪くなったり(形成不全)、歯並びが悪くなったりするリスクがあります。
また、口の中の虫歯菌が多い状態が続くと、新しく生えてきた永久歯もすぐに虫歯になってしまう可能性があります。
乳歯の健康が永久歯の土台を作るという認識から、早い段階での適切な対応、例えば進行止めや初期治療への関心が高まっているのが現状です。
小児歯科の「削らない」「削る量が少ない」虫歯治療法を紹介
小児歯科で行われる、代表的な「削らない」「削る量が少ない」治療法をいくつかご紹介します。
ただし、どの治療法が適しているかは、虫歯の大きさや深さ、場所、お子さんの年齢や協力度によって異なります。必ず歯科医師の診断を受け、相談の上で決定しましょう。
虫歯を柔らかくする【カリソルブ】とは?
カリソルブとは、虫歯になってしまった部分だけに作用する特殊なお薬を使って、虫歯を柔らかく溶かす方法です。
ドリルで削るのではなく、柔らかくなった虫歯を専用の器具でやさしく取り除くのが特徴です。
カリソルブの大きな魅力は、健康な歯を削る量を最小限にできることです。
大切な歯をできるだけ多く残せる可能性があります。
また、ドリルをほとんど使わないため、独特の音や振動、そして治療に伴う痛みを大幅に軽減できます。
痛みが少ないことから、麻酔を使わずに済んだり、使うとしても少量で済んだりするのも嬉しいポイントです。
ただし、カリソルブは万能ではありません。
虫歯がとても深かったり、神経に近い場合など、状態によってはお使いいただけない場合もあります。
また、手作業で慎重に進めるため、通常の治療よりも少し時間がかかる場合があります。
加えて、多くの場合、保険が適用されない自費診療となる点もご理解ください。
虫歯の進行をストップ!【サホライド(進行抑制剤)】
サホライドは、「フッ化ジアンミン銀」という成分を含んだ薬剤で、虫歯の進行を抑制する効果があります。
歯を削らずに、虫歯の部分に塗るだけの簡単な処置です。
サホライドの大きなメリットは、治療が簡単なことです。
歯磨きができれば小さなお子さんでも受けられ、短時間で終わり、痛みも全くありません。
虫歯がそれ以上ひどくなるのを防ぐ効果が期待でき、初期の虫歯などでは保険が適用される場合もあります。
ただし、サホライドを塗った部分は黒く変色してしまいます。
また、虫歯そのものを治すのではなく、あくまで進行を抑えるための処置であり、効果を持続させるために定期的に塗り直す必要がある場合もあります。
このため、サホライドは主に乳歯の虫歯や、治療が難しいお子さん、あるいは奥歯などあまり目立たない部分の初期虫歯に対して使われることが多いです。
見た目が気になる前歯への使用は、黒くなることを考慮して慎重に判断する必要があります。
初期虫歯に有効!【フッ素塗布】と【シーラント】
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「フッ素塗布」と「シーラント」は厳密には「治療」というより「予防」や「初期対応」ですが、「削らない」といった観点から重要です。
フッ素塗布は、歯の表面にあるエナメル質を強化し、酸に溶けにくい丈夫な歯質を作る働きがあります。
虫歯になりかけのごく初期の状態(脱灰)であれば、歯の自然な修復力(再石灰化)を助ける効果も期待できます。
歯科医院で定期的に高濃度のフッ素を塗ることはもちろん、ご家庭でもフッ素入りの歯磨き粉を使うことで、日常的に歯を強くすることができます。
一方シーラントは、特に虫歯になりやすい奥歯の複雑な溝をターゲットにした予防法です。
奥歯の溝に「レジン」という白いプラスチックを流し込んで埋めることで、食べかすや歯垢が入り込むのを防ぎ、虫歯菌の温床となるのをブロックします。
生えたばかりの永久歯(6歳臼歯など)は溝が深く虫歯になりやすいため、シーラントは大変効果的です。
シーラントは日常生活で剥がれてしまうこともあるため、定期的に歯科医院でチェックすることが大切です。
そもそも虫歯にさせない!今日からできる予防ケア
どんなに優れた治療法があっても、虫歯にならないことに勝るものはありません。
「削らない」ための最善の方法は、虫歯を予防することです。
今日からできる予防ケアを見直しましょう。
毎日の歯磨きを見直そう
虫歯予防の基本は、毎日の丁寧な歯磨きです。
お子さんの年齢に合った歯ブラシを選び、虫歯予防効果のあるフッ素入り歯磨き粉を使って、1本1本意識しながら磨くことが大切です。
特に、1日の汚れをリセットする寝る前の歯磨きは欠かせません。
小さなお子さんだけでなく、小学校中学年くらいまでは、まだ自分だけでは十分に磨ききれないことが多いため、保護者の方が必ず仕上げ磨きをしてあげてください。
磨き残しやすい奥歯や歯と歯の間、歯と歯茎の境目を特に意識してチェックしましょう。
歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の間の汚れは、デンタルフロスや歯間ブラシを使う習慣をつけることで、より効果的に虫歯を予防できます。
おやつ・食事のルールを決める
お口の健康を守るためには、食事やおやつの摂り方も非常に重要です。
時間を決めずにダラダラと食べたり飲んだりしていると、お口の中が酸性の状態が長く続き、歯が溶けやすくなって虫歯のリスクが高まります。
おやつやジュースを与える際は、時間をしっかりと決めることが大切です。
おやつの内容にも気を配りましょう。
糖分の多いお菓子や甘い飲み物はできるだけ控え、栄養も摂れる果物やイモ類、チーズなどを選ぶのがおすすめです。
普段の水分補給も注意が必要です。
スポーツドリンクや乳酸菌飲料は意外と糖分が多いので、日常的にはお水やお茶を選ぶように心がけ、お口の中を健康な状態に保ちましょう。
定期検診でプロのチェック&ケアを受ける
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毎日のセルフケアに加えて、歯科医院での定期検診とプロのケアを受けることは、虫歯予防に不可欠です。
特に痛みなどの自覚症状がなくても、3ヶ月から半年に一度は定期検診を受けましょう。
専門家の目で確認することで、自分では気づかないごく初期の虫歯を発見でき、削らずにフッ素塗布や経過観察で対応できる可能性が高まります。
また、普段の歯磨きでは落としきれない歯垢や歯石を、専用の機器を使ってきれいに取り除くプロのクリーニング(PMTC)も受けられます。
当院では、パウダーを使うことで、歯や歯茎、被せ物などを傷つけることなくクリーニングできる「エアフロー」も行っていますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。
さらに、フッ素塗布やシーラントといった予防処置を定期的に行うことで、虫歯になりにくい強い歯を作ることができます。
お子さんの成長や歯並びに合わせた効果的な歯磨き方法の指導も受けられます。
お子さんの「削らない治療」「予防」なら、プルチーノ歯科・矯正歯科 名古屋院へ
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子どもの虫歯に対する「削らない治療」や「予防ケア」の重要性について解説しました。
名古屋市南区のイオンモール新瑞橋1階にある「プルチーノ歯科・矯正歯科 名古屋院」では、お子さんの歯を大切にする治療と予防に力を入れています。
お子さんのペースに合わせた治療
当院では、決して無理やり治療を進めることはありません。
お子さんの気持ちに寄り添い、まずは慣れてもらうところからスタートします。
疲れたら、治療を中断・休憩することも可能です。
お子さん一人ひとりのリスクに合わせた治療
当院では、以下のお子さん一人ひとりのリスクに合わせた治療を行っています。
- 歯を削らずに虫歯の進行を抑えるサホライド塗布
- 虫歯になりやすい奥歯の溝を埋めるシーラント
- 歯質を強化するフッ素塗布
キッズルームやガチャガチャを用意
「歯医者さんは怖いところ」そんなイメージを少しでも和らげられるよう、院内にはお子さんが楽しく過ごせるキッズルームを完備。
さらに、治療を頑張ったご褒美に、ガチャガチャを1回サービスしており、多くのお子さんに「また来たい!」と喜んでいただいております。
音や痛みに配慮した治療
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麻酔の針が苦手な方、怖い方は、大人の方もお子さんも多くいらっしゃいます。
当院の歯科治療では、針の麻酔を行う前に必ず表面麻酔といって、塗るタイプの麻酔を塗らせていただいております。
表面麻酔を塗布することによって、針のチクッとした痛みを軽減することが可能です。
削りたくないお子さんの虫歯治療|当院の小児歯科にご相談ください
プルチーノ歯科・矯正歯科 名古屋院の小児歯科では、お子さん一人ひとりのペースを尊重し、「できるだけ歯を削らない、負担の少ない治療」を心がけています。 また、キッズスペースや治療後のガチャガチャをご用意し、お子さんがリラックスして通える環境づくりにも努めています。
当院は土曜日・日曜日・祝日も午前・午後ともに診療を行っておりますので、平日お忙しい方にも通いやすい環境です。 お子さんのお口のことで気になる点がございましたら、どうぞお気軽にご来院ください。
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